人気の宅配水を徹底比較!

「ウォーターエイド」の衝撃報告! 気候変動で水が飲めなくなる国が…

「ウォーターエイド」の衝撃報告! 気候変動で水が飲めなくなる国が…

(WaterAid/Basile Ouedraogo)

 新型コロナウイルスの世界的流行で感染症などに注目が集まっているが、人間が直面しているリスクとしては気候の変動も忘れてはならない。このほど水と衛生についての調査・研究・支援などを行う国際NGO「ウォーターエイド」は、「気候変動の最前線 2020年 世界の水の現状」を発表した。そこには、気象と水との深刻な実態が報告されていた。

◆海水面上昇で地下水が塩水に!?

 国際NGO「ウォーターエイド」は1981年、イギリスで設立された。「すべての人々が清潔な水と衛生を利用できる世界」を目指すことを掲げている。日本では2013年に特定非営利活動法人「ウォーターエイドジャパン」が立ち上げられた。ACジャパン「妹の命を奪った水」のキャッチコピーが印象的なテレビコマーシャルは、ウォーターエイドジャパンが支援している。

 言うまでもなく、水は気候と密接な関係がある。日本を例に取ると、ハッキリとした四季の移り変わりがあり、梅雨や台風といった水を大量に備蓄できる気象条件も毎年繰り返されてきた。雨水を溜めておける池や湖、溜池、ダムも数多く存在するほか、国土の6~7割を占めるといわれる豊かな山林も、水の保全に一役買っている。

 しかし、梅雨時に満足に雨が降らなかったり、夏の異常な暑さなどにより生態系が崩れたりといった気候変動が頻繁に起こると、水の貯えに支障が出て来る。ウォーターエイドの調べによると、実際、世界には気候変動で想像を絶する過酷な状況に陥っている国がいくつもあるという。では、報告書がピックアップしている国の実情を見てみよう。

 まずバングラデシュ。ここは気候変動に対して非常に弱く、適応力が低い国として注視されている。その大きな理由が、人口の3分の2が海抜5メートル以下の土地に暮らしていること。温暖化による海面上昇が起こると、住宅地が冠水する危険性が高まることは想像に難くない。ところが冠水しないときでも、生命を脅かすレベルの被害が出始めている。それは地上ではなく、地下を流れる水脈への海水の浸食だ。本来、真水だった地下水の塩分濃度が高くなってしまったのだ。そうなると飲用だけでなく、農作物の生育にも影響をもたらす。真水を求めて、安全が確保されていない水を飲んで健康を害する人も少なくないという。

水をくみに向かうバングラデシュの女性(WaterAid/Abir Abdullah)

水をくみに向かうバングラデシュの女性(WaterAid/Abir Abdullah)

 こうした気候変動の被害は、十分な開発が進んでいない国によく見られ、南米のマリでは砂漠の一歩手前のようになってしまった場所もある。同国中南部セグー州のカクヌソ村は、もともと半乾燥地域ではあったが、乾期が以前より長く続くようになり、気温の上昇と相まって深刻な水不足に襲われるようになった。さらに、気候変動の影響で気象パターンが予測不能になってしまったという。

 ウォーターエイドは、こうした地域に出向き、水を管理する技術やインフラのノウハウなどを伝え、安全な水を恒常的に確保できるよう支援を行っている。

 ちなみに、気候変動に対して受けられる援助をお金に換算した指標「気候変動ファイナンス」というものがあり、先進国を含む世界の半数の国では1人あたり550円前後。一方、バングラデシュやマリのような国では数十円。こうした側面からも、水資源の問題が見えてくる。

◆日本は地下水脈が豊富

 気候変動による被害は、それ以外にも世界各地で起こっている。日本も例外ではないが、幸いなことに現状は、恒常的に飲み水に困るほどの気象状況に襲われるようなことは起こっていない。水源となるダムや湖、沼を満たすだけの降水量があることや、災害で水不足となった地域が出ても迅速に給水車などでバックアップする体制が整っている点も日本の強みといえる。

 そして、全国各地の地下の深い場所に水脈があることは大きい。地下水は、地下十数メートルまでの浅いところを流れているものもあれば、数百メートルといった非常に深い場所のものもある。浅い地下水は、量や質が地上の変化の影響を受けてしまうことがあるが、深い地下水は長い年月をかけて地層深くまでしみ込んだものなので、地上で雨量が減ったとか健康に影響を与えるような物質が広がる事故が起こったとしても、飲めなくなってしまうようなことは、そう簡単に起こらないのだ。

安全で安心な水についての意識を持っておきたい

安全で安心な水についての意識を持っておきたい

 そうした天然の地下水の中で特に人気の富士山エリアの水は、富士山自体の山体の大きさから地下水の量も非常に多いと観測されている。富士山の天然水を取り扱うウォーターサーバーで見ると「フレシャス」の場合は、標高1000メートル地点を273メートル掘り下げた場所からくみあげている。また、「プレミアムウォーター」も富士山麓の地下200メートルが採水地だ。一方、富士山系ではないが、九州の名水「日田天領水」になると1000メートルクラスの地下水脈を利用している。

 日本が深刻な水不足に陥らずにすんでいるのは、地質的なことだけでなく、これだけの深さから採水できる技術があってこそ。水に困っている海外の実情を知れば、水資源の貴重さを再認識できるはずだ。そうした国々が、日本と同様に安全で安心できる水を安定して飲むことができるために、私たちとしても何ができるかを考えてみるのも大事なことだろう。

参考サイト:ウォーターエイドジャパン