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浅草のコンブ名人が解説! おいしいコンブだしと水の関係


浅草のコンブ名人が解説! おいしいコンブだしと水の関係

 日本ほど「だし」にこだわりの強い国はそうそうないだろう。だしのうま味成分はさまざまな素材から抽出するが、今回は日本のだし文化においてカツオだしと双璧をなす「コンブだし」について、東京は浅草の海藻専門店に取材した。はたして家庭用ウォーターサーバーの水などでも、コンブだしを上手に作ることはできるのだろうか?

◆東と西の味の違いはコンブの種類が理由!?

 浅草といえば、今や世界中の観光客がやってくる国際的な名所。長年、海藻商品の卸しなどを行ってきた「昆布の川ひと」は、浅草のシンボルである雷門からほど近い場所に店舗を構える。代表の川人満さんは、百貨店や料亭といった顧客も抱えているため、コンブについてはひときわ厳しい目を持っている。川人さんは、水とコンブの関係についてこう話す。

「コンブだしのとり方は、特に難しくはありません。基本的な方法は、コンブの表面を絞ったふきんで軽く拭き、鍋に1Lの水に対し10gのコンブを入れて中火にかけます。そして沸騰する直前でコンブを取り出せばいいのです。水の硬度は40~50くらいの軟水が適しています。硬度が高い水では、だしが出にくいからです」(同社代表・川人満さん、以下「」内は同)

 実に簡単に話が終わってしまうかと思いきや、そう単純なものではないと川人さんはいう。

「コンブの名産地は北海道で、羅臼コンブ、利尻コンブ、真コンブ、日高コンブなどがあります。昔からコンブは、だしの材料として愛用されてきました。特に『北前船』が就航するようになってからは、全国各地に広まりました。当時から関東で人気なのは羅臼、関西では利尻や真コンブという違いがあるのですが、これは水質と密接に関係しているといわれています」

澄んだ湯豆腐にするためにはコンブと水の組み合わせが重要

澄んだ湯豆腐にするためにはコンブと水の組み合わせが重要

 羅臼は北海道の東部にある知床半島の地名で、羅臼コンブもその海域で採れる。利尻コンブは、最北端である稚内沖にある利尻島周辺で採れることから名づけられている。しかし、同じコンブといえどそれぞれ性質に特徴があるという。

「羅臼コンブは茶褐色で幅広のコンブで、だしにすると味が濃く特有のにごりが出ます。一方、黒っぽく細い利尻コンブは、あっさりした味で透き通っただしが出来上がります。ここで、水が重要なカギを握ってきます。水の硬度は関東のほうが関西より高め。つまり、関東は『だしが出にくい』水なのです。だから関東では濃いだしが出る羅臼コンブが好まれ、軟水のためだしが作りやすい関西では利尻コンブが好まれるようになったといわれています。関東のそばつゆが濃いのは、『だしが出ねぇならさっさと醤油で味を付けちまえ!』という江戸っ子の短気が由来なんていう説もあるほどです(笑い)」

 水の硬度が、必要とするコンブを東と西で異なるものにしてしまったということだ。現在でも東京都心部では水道水の硬度は60~70程度、大阪では40~50程度で、だし作りには大阪のほうが適しているといえる。川人さんは、コンブだしと水質について面白い体験をしたことがあるという。

東西の食文化には水とコンブが重要な意味をもっていた

東西の食文化には水とコンブが重要な意味をもっていた

「コンブ消費量が国内でも上位の沖縄県へ、営業に行ったときのことです。自分でコンブだしをとってみました。いつも通りの手順で出来上がっただしを味見したら、まるでおいしくないのです。調べてみると沖縄は硬水の地域が多く、80~100なんていうところもあり、通常のやり方では十分なだしがとれなかったんですね。沖縄の水が悪いということではなく、水質によってだしのとり方や適したコンブも変わってくることを、身をもって知りました」

 沖縄本島の中部から南部にかけては、琉球石灰岩が地層を形成している。そのため地下水はカルシウム分が多くなるのだ。しかし最近では浄水場に硬度低減化施設を導入し、70前後まで硬度を下げて供給できるようになってきている。

◆鍋を用意する手間なくできる簡単コンブだし

「近ごろは、粉末や液体のだしが進化しているので、コンブをゆでてだしをとる人が少なくなっています。でも、鍋に付きっきりでなくてもおいしいコンブだしが作れる方法があるのです。それは『水だし』です。ペットボトルなどの密封容器に水とコンブを入れるだけ。水1Lに対し、コンブを10g入れてください。コンブの味をしっかり出したいなら20gが理想です。5時間もすればだしが出てきますが、一晩10時間くらい寝かせましょう」

 これで、鍋を火にかけて作ったのと変わりないだしがとれ、温めればコンブの香りが立ち上る。どの産地のコンブでも問題なくできるそうだ。

水で戻して使う、飾り切りされた美しいコンブもある

水で戻して使う、飾り切りされた美しいコンブもある

「コンブと水の相性で微妙な差が出て、本当に奥深いものです。『煮物だから濃い目の羅臼』『湯豆腐にはにごりの少ないあっさりした利尻』とか、お使いの水や料理に合わせた選び方をすると、コンブのおいしさを再確認していただけると思います。だしだけでなく、コンブを使った料理も非常に多くあります。“コンブ消費国”である沖縄の『クーブイリチー』という、コンブと豚肉の炒め煮なんかはオススメですよ」

 だしをとるには軟水が理想的だが、多少硬度が高くてもコンブの適性を合わせればいいというのは歴史が証明してくれている。家庭用ウォーターサーバーの水の硬度が高くても低くても心配することはない。ふだんから飲み慣れた、安心・安全なおいしいウォーターサーバーの水なら、だしもひときわ香り立つに違いない。日本の食文化の重要な担い手でもあるコンブを、もっともっと見直してみたいものだ。

   

参考