ウォーターサーバー比較ランキング

人気の宅配水を徹底比較!

ペット専用ミネラルウォーターが軟水ばかりの理由とは?


世界の水事情<アジア編> インドネシアでは家庭用ウォーターサーバーが一般的

 いまや15歳未満の子供の数よりも、犬や猫などのペットの数のほうが多い、ペット大国・日本。「ペット専用〇〇」といった商品も数多く販売されている。その代表的な例が、犬、猫、うさぎ、ハムスターなどといった、哺乳類の小動物ペット専用の飲料水だ。

 人間が飲む飲料水、つまりミネラルウォーターの場合は、比較的ミネラルが少なめな軟水から、ミネラルを多く含む硬水まで、いろいろな種類がある。しかし、ペット専用飲料水の場合は、ミネラル含有量が少ない軟水が多いのだ。

人間の飲料水とペット専用水の違い

>人間の飲料水とペット専用水の違い

 たとえば、アース・バイオケミカルが販売する「ペットの天然水 Vウォーター」は、2リットルあたりのミネラル含有量は、ナトリウムが0.3mg、マグネシウムが0.3mg、カリウム が0.1mg、カルシウムが0.8mgとなっている。硬度にすると約30mg/リットルとなる。

 また、Y.K.エンタープライズが販売している「アクアプーラ(ペットの純水)」というペット専用水は、海洋深層水を原料としており、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムのいずれもまったく含まない水となっている。

 一方、人間が飲むミネラルウォーターはというと、その硬度は様々だが、たとえば軟水の定番といわれる「クリスタルガイザー」なら、硬度38mg/リットル。「ボルヴィック」なら硬度60mg/リットル。硬水であれば「ヴィッテル」が硬度315mg/リットル。「エビアン」が硬度304mg/リットルとなっている。

 もちろん、人間の飲料水でもミネラルをまったく含まない純水もあるし、ミネラルを多く含む硬水のペット専用飲料水も存在しており、一概に比較することは難しいが、とにかくペット専用の飲料水はかなり硬度が低くなっていることが一般的なのだ。

ペットには軟水がいい理由とは?

ペットには軟水がいい理由とは?

 では、ペット専用飲料水が軟水や純水ばかりなのはどうしてなのだろうか?

 その理由の一つが、「尿路結石症」の予防である。尿路結石症とは、腎臓や膀胱、尿管、尿道など、尿を作って排出する器官のなかで特定の物質が結晶化してしまう病気のこと。結晶化した物質、つまり「結石」は尿管を刺激し、排尿時に痛みを感じたり、血尿が出てきたりなどの症状が出る。さらに、結石が大きくなると尿管を塞いでしまい、膀胱に尿がたまり急性腎不全を引き起こすこともあるのだ。人間の場合は、男性に多く、日本人男性の11人に1人程度が尿路結石症を患うといわれているが、実は犬や猫もかかりやすいのだ。

 尿路結石症の大きな特徴がその激痛だ。人間の場合でも同様で「痛みの王様」と呼ばれることもあるほどの痛みを伴うという。しかも、慢性的に結石症となるケースも多く、かなりつらい病気だといえそう。人間であれば、痛みを訴えることもできるが、ペットの場合はそうもいかない。飼い主が気づかないうちに重症化していたというケースも多いようだ。

 尿路結石症の原因の一つとされているのが、ミネラルの過剰摂取だ。つまり、ペット専用飲料水の多くがミネラル含有量の少ない軟水や純水であるというのは、尿路結石症を予防するためでもある。

 小動物の尿路結石症はいくつかの種類があるが、なかでも一番多いのが「ストルバイト結石症」。そして次に多いのが「シュウ酸カルシウム結石症」だ。いずれも尿のph値が大きく傾くことが原因となっており、アルカリ性に傾くと「ストルバイト結石症」に、酸性に傾くと「シュウ酸カルシウム結石症」になってしまう。

 尿のpH値は普段の食生活によって左右される。大まかにいうと、野菜を多く食べるとアルカリ性になりやすく、肉や魚などの動物性タンパク質を多く食べると酸性になりやすい。もちろん栄養素のバランスが取れているペットフードを適量与えていれば問題はないのだが、人間の食べ残しをあげたり、お菓子をたくさんあげたりしていると、尿路結石症のリスクが高まるといえる。また、犬も猫も基本的には肉食獣なのでベジタリアンな食生活も適切ではない。

 尿のpH値が高まるとマグネシウムやカルシウムをもとに結石が作られることとなる。この時、普段からマグネシウムやカルシウムを多く含んでいる硬水を飲んでいると、結石ができやすくなると考えられているのだ。

ペット用の水は水道水でも安心できないケースも!?

ペット用の水は水道水でも安心できないケースも!?

 つまり、ペット専用飲料水に軟水や純水が多いのは、結石のもととなるミネラルを余分に摂取しないためということなのだ。結石のもとを体内に蓄積しないために、軟水や純水を飲ませるのである。

 さらに、水分の摂取不足も結石の要因となる。水分が少ないと尿の量も少なくなるわけだが、結果的により濃縮された尿になってしまう。当然pH値も傾きやすくなり、尿路結石症につながるのだ。

 そういう意味では、しっかりと水分補給をしなくてはいけないのだが、同時にミネラルの摂り過ぎもよくない。となると、ミネラルの含有量が抑えられているペット専用飲料水が、尿路結石症予防に効果を発揮するというわけなのだ。

 もちろん人が飲むミネラルウォーターをペットにあげてもいいのだが、その場合は軟水であることをしっかり確かめる必要があるだろう。また、日本の水道水も多くが軟水だが、地域によっては中硬水のものがあることも気をつけなくてはならない。

「ペットに専用のミネラルウォーターをあげるなんて贅沢だ!」──。そう思う人もいるかもしれないが、尿管結石症は、激しい痛みを伴ううえに、再発しやすい病気である。ペットの苦しむ姿を見たくないという飼い主にとっては、ペット専用飲料水も決して贅沢ではないのだ。

 近年、ペットのためにウォーターサーバーを利用するケースも増えているが、そういう意味では、軟水のウォーターサーバーを家庭に備え、家族とともにペットにもあげる…というのは理想的なのかもしれない。